Sponsored Link
国際結婚により、両親のどちらかは海外での暮らしとなるハーフの家族。
両親のお互いを思いやりながら生活をしていく姿には心を打たれますが、ときには苦しみを隠している面もあるのかもしれません。
そんな姿をハーフである子供の目線から考えてみました。新しい価値観を持ってもらえると幸いです。
目次
日本を離れ、突然海外に…引っ越しのたびに辛い思い
私の父親はオランダ生まれ、オランダ育ちの40代です。
小さいころから日本の文化に興味があったらしいのですが、大人になって空手や書道を習うために日本にやってきて、うちの母親と出会いました。
父と母は、私が生まれたときや小学校のあいだは日本で生活していましたが、私が中学生になる直前に、一家でオランダに引っ越すことになりました。
国際結婚ならではの大変さ?
父はヨーロッパ各国で仕事をし、アジア圏もよく行っていたので、ビジネスで使う程度なら、4カ国語が話せます。
ちなみに、母親は語学が全然駄目らしく、未だに英語もちゃんと話せません(笑)。
ずっと日本で暮らして、英語も苦手だった母が、父の仕事の都合で突然外国に行かされたのですからそれはそれは大変だったと思います。
子供の私も海外生活には苦労した
私も日本で友達がたくさんいたので、急に外国に行くことになり辛い思いをしました。
英語を習得するのももちろんゼロからで、苦労しました。
これは海外で働く親のいるハーフにはよく起こることだと思いますが、やはり慣れ親しんだ国を離れなくてはいけないのが本当に辛かったです。
ヨーロッパに行くと、もちろんアジア系の人にも優しくしてくれる人は多いのですが、一部偏見も残っています。明らかに避けられているな、と感じることも多かったです。まだまだ差別ってなくなっていないな、と感じます。
ハーフならではの悩み、私の国はどこ?
ハーフの人は特に、どちらの国でも外国人扱いされてしまうことが多いので、そこは精神的にきついかなと思います。
あと、うちの場合は、父親の両親が母親との結婚をあまり快く思っていないような感じがしています。
父親の実家に遊びに行くと、おじいちゃんから「電気代がかかるから、携帯電話の充電はするな」などと言われてしまいます。
国際結婚はお互いの両親の考えなど、難しいことがたくさんありますよね。
仕事では問題ないけれど、家でのおしゃべりは…
海外でのビジネス経験が豊富なので、仕事のほうでは問題なく日本語を使っているオランダ人の父ですが、日本語は完璧だとは言えません。
たとえば、文章の最後につける「〜ね」とか「〜よ」という表現の使い方がよく分からないらしく、いつも「〜なのよ」とか「〜なのよね」という言い方をしてしまいます。
ちょっとそれは女性っぽいんじゃないの、と指摘しても、あまり感覚がつかめないようです。
また、会話が早口になると、どうしても聴き取れないというか、もう会話の内容さえ全く分からない状態になってしまうんだそうです。
ハーフは親と母国語が違う苦労がある
私と母親は日本語が母語なので、普通にペラペラとおしゃべりするのですが、その会話に父が割って入って、「あのさあ、一体何の話をしているんだい?」と尋ねてきます。
たまに面倒くさいのでそのまま流してしまったりすることも多いです…。
日本人よりも日本文化に詳しい父
日本生まれの私や母よりも、父は日本文化にずっと詳しいです。
というか、アジア圏の文化がものすごく好きなようで、空手や剣道などのスポーツのみならず、ヨガや瞑想、書道など漢字への興味も尽きません。
家でもイライラしたときに突然座って瞑想を始めるなど、変わったことをたくさんしています。
日本語にも詳しい父はすごい
特に、漢字の知識はこちらがびっくりしてしまうほどで、私の一家は一時期台湾に住んでいたことがあるのですが、台湾では中国の簡体字と異なり、繁体字という昔ながらの漢字を利用しています。
ですから、日本の漢字よりも複雑で、画数もものすごく多いのが特徴です。
それを父親は気に入っていて、漢字練習もときどきしています。
もっと漢字の勉強をしたいとも言っているので、趣味が多いなあと驚きます。書道も私よりうまいかもしれません。
ハーフとして困ることも多いけど、楽しいです!
家庭でのおしゃべりではちょっとうまくいかないところのある父親ですが、かわいらしい勘違いもたまにしています。
たとえば、ぬいぐるみを「ねぐるみ」と言っていたりします。
何度注意しても、「ぬ」ではなく「ね」だと思ってしまうのです。
いろいろな文化の愚痴を聞くのもハーフ特有
また、日本語の感覚がつかめない、としばしば愚痴を言っています。
父は「ぬるい」というのがどういう温度なのか、未だに理解できずに苦しんでいるようです(笑)。
私も一生懸命説明するのですが、オランダで育った父は、日本語特有のあいまいさが分からないことが多く、そういうのは文化の違いを強く感じます。しかし、違いがあるからこそ、楽しめる部分もいっぱいあります。
目立つけどそれは嬉しいこと!!
父は明るい性格なので、お店でお金が足りなくなったときに、うちの母親を「ママ〜!お金貸してよー」と大きな声で呼んで、周りのお客さんにくすくす笑われていたこともありました。
恥ずかしかったけれど、そういう純粋なところが素敵だなあと思います。
文化的な過ごしにくさを感じることも当然ありますが、私は父と母のあいだに生まれて良かったと思っています。
言葉の壁は、これから徐々に乗り越えていければいいかなと気軽に考えるようにしています。
Sponsored Link
コメントを残す